潔い〝酒〟という一文字にして、幾人もの額や肩を撫でてきただろうにして、──その赤茶の大暖簾が私たちの目の前に堂々と構える。中には花やら写真やら賞状やらなんやらが所狭しと店内を占め、その極彩色の中央に人ひとりが通れるほどの細長いコの字カウンターが延びていた。 カウンターの縁に並ぶおばんざいの中から「焼イカ」をチョイス。オレンジ色に輝く身が美しい。 続いては「銀杏」。注文が入ってから炒ってくれた。ちなみに銀杏には〔男の子〕と〔女の子〕がいるらしい。通常の銀杏の殻は〔二面〕で合わさっており、それが〔男の子〕、稀に殻が〔三面〕で合わさっているものが〔女の子〕だ。 （2021年4月の緊急事態宣言以前に取材したものです。現在の営業状況は各店にお問い合わせください。） [著者]味論 saka-navi.com/archives/15893

朝6時からオープンしているのもびっくりだが、開店と同時にすぐにほぼ満席になったのもびっくりだ。 そして皆さんが当たり前のように頼んでるセットが、朝6時から10時まで限定のモーニングセット（お酒2杯＋めざし）なのだが、その値段はなんと500円なのである。ちょっとワガママを言って、「めざしじゃなくて、磯辺揚げがいい～～～！」と言ってみたら快く対応してくださった。この緩さもやはり沖縄らしくて酔い。 追加注文で「もつ煮込み」。いつも東京下町で食べるもつ煮込みと変わらない本格派のもつ煮込みであった。 （2021年4月の緊急事態宣言以前に取材したものです。現在の営業状況は各店にお問い合わせください。） [著者]カリスマジュンヤ saka-navi.com/archives/15230

外観は渋い店構え。これは中もだいぶ古いだろうと思いきや、意外と（失礼）明るくて綺麗であった。 ここは『ふぐ』が有名な店ではあるのだが、ふぐ以外で安くてウマいメニューを頼むことにした。 『アナゴの天ぷら』はとにかく、大きさに驚くばかり。口を大きく開けてひと口噛むと、まるで口から漫画のように〝サクッ〟と文字が出て見えるほど明確な歯ざわり。極太アナゴの身は、衣とは相反してふっくら柔らかく、こちらも塩も天汁も必要ないほどアナゴ本来の味が濃厚である。これが250円とは考えられない。 『ネギチャーシュー』は、見た目のセンスが素晴らしい。両脇に羽が生えてるのかと思いきや、大きな海苔が数枚添えられているのだ。その海苔で手巻き寿司の様にネギチャーシューを包んでかぶりつくのだ。辛いネギが酒に合う、酒飲みの為の逸品だ。 （2021年4月の緊急事態宣言以前に取材したものです。現在の営業状況は各店にお問い合わせください。） [著者]味論 saka-navi.com/archives/15071

日本盛の文字が眩しい看板。紺地に白文字の理想的な暖簾。なんだか西成っぽくない。ちゃんとしてる佇まいだ。 店内もちゃんとしてる！！いわゆる西成って感じはなく、凛とした雰囲気だ。比較的お客さんの先輩方もシュッとしてるように見える。 どて焼きも貰い、ゆっくり呑ることにした。まるで西成とは思えないような、平和な時間がすぎていくのであった。 （2021年4月の緊急事態宣言以前に取材したものです。現在の営業状況は各店にお問い合わせください。） [著者]イカ saka-navi.com/archives/14582

この関西特有の、「めし」とひらがなでデッカく書いた暖簾が堪らない。何屋さんか分かりすぎて仕方がない。 店内はバキバキだ。店の真ん中に８人掛けぐらいのテーブルがあり、壁に沿ってカウンターがある。 おかずの入ったショーケースから「マグロのすきみ」を取り出し、加えて「ホルモン汁」と「めし」を頼んで、僕なりの西成定食を完成させた。 マグロは不揃いな形をしたお刺身が２０切れはある。これで270円は安すぎる。 ホルモン汁は醤油味のあっさりスープに、ホルモンの油がいい具合に溶け出し、絶妙な出汁感を醸し出している。実に 旨い！！ （2021年4月の緊急事態宣言以前に取材したものです。現在の営業状況は各店にお問い合わせください。） [著者]イカ saka-navi.com/archives/14449

酒店と名が付く通りこの店は酒屋であり〝角打ち〟が出来る店だ。中は日本全国どこにでもあるような〝酒屋さん〟であるのだが・・・〝内暖簾〟を潜ると、様子は一変する。 これは映画のセットや博物館の展示物などではなく、完全に一般家庭の生活の一部であるのだ。『わぁ～、昭和時代っぽいな～』という大衆酒場は何度も行ったことがあるが、ここは『わぁ～、江戸時代っぽいな～』と言わざるを得ない。時にはこんな落ち着いた時間が流れる場所で酒を飲むのも心地がいいものだ。 （2021年4月の緊急事態宣言以前に取材したものです。現在の営業状況は各店にお問い合わせください。） [著者]味論 saka-navi.com/archives/13913

17時開店なのだが、私が到着した17時30分頃には既に満席に近い状態となっていた。 まずはお通しの煮豆腐のとろろ昆布かけとシラス刺しを頂く。おいおい、お通しでこんなにうまくてどうするんだ？煮豆腐はほんのりと温かくて濃い目の醤油味が堪らなく、シラス刺しも形、身の厚みもお通しにするのは勿体無いほどしっかりしたものだ。 ふと壁に目をやると、秋田をはじめとする全国の銘酒が壁一面にズラリ。これだけの数の中から選ぶとなると、いささか迷うが、そんな人の為に『利き酒三種 800円』というメニューがある。値段に関わらず、どれでもガラス徳利三つで800円で呑めるのだ（一部例外あり）。 日本酒のあてということで『特大岩牡蠣』も注文。「デカすぎる！！」と思わず声に出るほどの大きい牡蠣。今まで見た牡蠣の中でダントツ一番の大きさだった。 （2021年4月の緊急事態宣言以前に取材したものです。現在の営業状況は各店にお問い合わせください。） [著者]味論 saka-navi.com/archives/13227

秋田最大の歓楽街『川反（かわばた）』。ここはそこにある酒場だ。中へ入ると、真っ赤なカウンターが出迎えてくれた。 おでんは、てっきり、” 秋田の濃い味 “で真ドっ黒なおでんが登場するかと思いきや、薄色の出汁でしっかりと、そして上品に味が染みている。 一方で、甘じょっぱいくパンチの効いた焼き鳥はは、まるで主張の強い赤い店内を表すかのようだった。 （2021年4月の緊急事態宣言以前に取材したものです。現在の営業状況は各店にお問い合わせください。） [著者]味論 saka-navi.com/archives/12889

路上にテーブルを出し、ボロボロの暖簾の奥からはおどろおどろしい雰囲気がだだ寄ってくる・・・ 恐る恐る入ってみると、店内もまた香ばしい。テーブルの下に車輪がついており、以前屋台で引いていたモノをそのまま狭い室内に無理やり入れただけらしい。 おいしそうな「どて焼き」を頂く。焼きとはいうものの、要は甘いスジ煮込みだ。甘めの味付けでお酒が進む。 （2021年4月の緊急事態宣言以前に取材したものです。現在の営業状況は各店にお問い合わせください。） [著者]イカ saka-navi.com/archives/12296

酒屋の隣に店舗があり、表には簡易的なテーブルもある。どうやらいわゆる角打ちのようだ。中の様子はとても渋い。ここで何十年もの間、幾人も先輩方が膝をガクガクにしてきたんだろうなという歴史が伝わってくる雰囲気だ。 おでんが旨そう。だが関西の出汁が旨そうだったので、豆腐を貰う。とろろ昆布がかかってるところが関西っぽくてまた嬉しい。正直、豆腐はいらないぐらい出汁がツマミになる。 （2021年4月の緊急事態宣言以前に取材したものです。現在の営業状況は各店にお問い合わせください。） [著者]イカ saka-navi.com/archives/12296