闇太郎
酒場ナビ
2022/1/10
川上弘美の小説『センセイの鞄』の舞台ともなったお店。開店時間は19時半と遅いが夜中の2時までやっているという、まさに〝闇〟という店名が相応しい酒場だ。 右手にコの字カウンターのみのこじんまりとした店内。煤けた壁には手書きのメニュー並び、テレビからはバラエティ番組の音が静かに流れ、それらを裸電球の光が包む何ともいえない空間を形成していた。 『しめ鯖』の豪快なキッツケはどうだ、箸で持つとズシリと重く、強めに効いた酢に弾力のある身が口の中をモグモグといつまでも愉しませてくれる。 目の前には、おでん槽。ホカホカの甘い出汁の香りが鼻腔を通って舌をつつく。はんぺんは色のあるところ、ないところで味を愉しみ、たまごもそれ然り。厚揚げは皮の厚い分カラシをタップリ付け、鼻にツンとくるなら酒で流す、大根は箸で必ず四等分に割り、少しぬるくなったのをチビチビとつまむのがいい。 (新型コロナウイルス感染拡大により、酒類の販売を一時的に中止していたり、営業時間・定休日などが記載と異なる場合があります。) [著者]味論 saka-navi.com/archives/34994
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