白地に青字で大書された看板、臙脂色の渋暖簾をアサヒビールの提灯が朧気おぼろげに照らす。いいねぇ……その圧倒的な店構えから、すでに名酒場の雰囲気を醸し出しているではないか。 店の中へ入ると、そこには何ともいい歳の取り方をした壁や天井、テーブルやイスと小上がりが広がっていた。木材そのままを柱や梁にしており、これがまたいい味を出している。 『牛モツ煮込み』は色白でシュっとしているが、大胆な盛りネギが格好良く、イケメンだ。コリシコのモツ、ブリュっとした脂は甘くて味までイケメンだ。 『レバカツ』には、シャバシャバとウスターソースをかけ、衣の表面がシンナリするまで、添えのサラダへも忘れずにシャバる。キュ──……としたソースの甘酢っぱさと、レバの淡白な味のマッチングが、イイ。あとはウスターサラダでチビチビ飲やるのが至極。これはまた、居心地のいい酒場を見つけてしまったようだ。 （新型コロナウイルス感染拡大により、酒類の販売を一時的に中止していたり、営業時間・定休日などが記載と異なる場合があります。） [著者]巣鴨 saka-navi.com/archives/35597