中華民国留学生癸亥地震遭難招魂碑
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歴史散歩マイスター
2021/12/14
江戸幕府3代将軍徳川家光の乳母として権勢を振った春日局(かすがのつぼね)の墓所として知られる湯島の麟祥院。 ここに「中華民国留学生癸亥(きがい)地震遭難招魂碑」と刻まれた石碑があります。 癸亥地震とは,1923(大正12)年9月1日に起きた関東大震災のことです。 この大震災で,当時日本に留学していた多くの中国人留学生も被災しています。 大震災が発生した直後から,被災した中国人留学生の救護や本国への帰還を推し進める活動を展開したのが日華学会でした。 日華学会は,1918(大正7)年に渋沢栄一ら財界人が一部官僚と提携し日中関係の改善融和を目指して設立した団体です。 大震災のあった年の10月には,亡くなった中国人留学生とその家族の追悼会が,当時の文相岡野敬次郎や日華学会の会長細川護立ら数百名が参加して麟祥院で催されました。 招魂碑は,その翌年の9月,大震災から一年がたったことから日華学会によって建てられたもので,碑の背面には,亡くなった25名の氏名や本籍地・学校・罹災場所などが刻まれています。
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