旧日華学会跡
店舗情報
歴史散歩マイスター
2021/12/14
東亜高等予備学校があった神保町愛全公園からお茶の水方面に向かい左手に入ると1926(大正15)年に建てられたレトロなビルがあります。 現在は東方学会の本館となっていますが,敗戦まではこのビルに日華学会が入っていました。 日華学会は,学校の選択,入学・転学,宿舎の世話など中国人留学生を支援することを目的に1918(大正7)年に設立された団体です。 設立には,渋沢栄一をはじめとする財界人や元文相小松原英太郎ら政治家,官僚が関わっていました。 背景には,日本が中国の実効支配を進めるため1915(大正4)年に中国政府に突きつけた「二十一ヵ条要求」に対する中国人留学生たちの反発を緩和するねらいがあったといわれます。 設立当初の日華学会は麹町区内山下町(現,千代田区内幸町1丁目)にありましたが,その後神田区中猿楽町に移り,1934(昭和9)年から元は中学校の校舎だったこのビルに入りました。 日華学会の活動は,1945(昭和20)年8月の日本の敗戦にともなって停止されました。
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