東亜高等予備学校跡
店舗情報
歴史散歩マイスター
2021/12/14
神田神保町の古書店が並ぶ靖国通りから北に少し入ると「神保町愛全公園」があります。 このあたりに,かつて東亜高等予備学校がありました。 日清戦争に敗れた中国では,体制改革を求める機運が急速に高まり,西洋の諸制度を効率的に学ぶため日本に留学しようという動きが起きてきました。 やがて日本留学がブームとなって,1905(明治38)年ごろには中国人留学生の数が1万人を超えたといわれます。 東亜高等予備学校は,中国人留学生の教育に生涯取り組んだ松本亀次郎によって1914(大正3)年に設立されました。 日本国内での進学を志す中国人留学生の多くが,この学校で日本語・英語・数学等を専門に学んでいます。 中華人民共和国国務院総理(首相)を長く務めた周恩来も,1917年(大正6)年,19歳のときに日本に留学し,この地にあった東亜高等予備学校で2年間日本語を学び,大学進学の指導を受けました。 愛全公園には,周総理生誕100年・日中平和友好条約締結20周年を記念して1998(平成10)年に建てられた「周恩来ここに学ぶ 東亜高等予備学校跡」と刻まれた石碑があります(現在,公園が改修工事中で見ることができません)。
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