東京国立博物館表慶館
店舗情報
歴史散歩マイスター
2021/12/14
東京国立博物館の本館に向かって左手にある緑青色のドームが印象的な建物が表慶館(ひょうけいかん)です。「慶びを表す」という名が示すように,表慶館は皇太子(後の大正天皇)のご成婚を記念して1900(明治33)年に計画され,建設には市民から募った寄付金があてられました。 完成したのは1908(明治41)年,翌年には日本初の本格的な美術館として開館しています。設計を担当したのは,ジョサイア・コンドルの弟子で,東宮御所(現在の迎賓館赤坂離宮)も設計した宮廷建築家・片山東熊でした。しかし完成に至るまでには,平面・立面計画が何度も変更されたり,日露戦争で資材の輸送が滞ったりと多くの困難がありました。 建物は,中央に大ドーム,両翼に小ドームが配置された左右対称で十字型の外観を持つネオ・バロック様式。2階建で総石造りのように見えますが,実際は総煉瓦造りで外壁に花崗岩を貼って石造風に見せています。 関東大震災でコンドルが設計した帝室博物館本館は倒壊しましたが,表慶館は被害が少なかったため,1938(昭和13)年に現在の本館が開館するまでの間,展示施設となっていました。
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