コンドル像
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歴史散歩マイスター
2021/12/14
鹿鳴館の設計者として知られるイギリス人建築家ジョサイア・コンドルは,工部大学校造家学科(東京大学工学部建築学科の前身)の教授として招かれ,1877(明治10)年,25歳のときに来日しました。前年には王立建築学会の若手登竜門とされるソーン賞設計コンペで優勝しています。 コンドルは,ロンドン大学で建築学を学んだだけでなく美術学校でも学んでいたので,設計・製図や構造力学,デッサンなど幅広く本格的な建築教育を行いました。彼の弟子には,東京駅舎を設計した辰野金吾や赤坂の迎賓館を設計した片山東熊など,そうそうたる建築家たちがいます。 またコンドルは,工部省営繕局顧問として旧帝室博物館本館(東京国立博物館の前身)や鹿鳴館など政府系の建築物を多く設計しました。彼の設計には,単純な西洋建築ではなくその土地の文化が採り入れられていることが注目されます。官職を離れた後も,神田のニコライ堂や丸ノ内の三菱煉瓦街,池之端の岩崎久彌本邸など多くの建築物の設計を手がけました。 彼は日本文化にも傾倒し,1881(明治14)年には日本画家の河鍋暁斎(きょうさい)に師事し,暁英の雅号をもらって多くの作品を制作しています。
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