ミルン水平振子地震計
店舗情報
歴史散歩マイスター
2021/12/14
日本における地震学の草分けとなったイギリス人ジョン・ミルンは,鉱山技師であり地質学者・地震学者です。 ミルンは,工部省工学寮(のちに工部大学校を経て東京帝国大学工科大学)に教師として招かれ,1876(明治9)年に来日しました。鉱山学や地質学の指導に当たる傍ら地震や火山活動に関心を深め,函館の火山や浅間山,富士山など全国50もの火山に登って観測を行い,火山活動は地震の原因では無いとの結論を得ています。また人類学・考古学にも造詣が深く,大森貝塚の発掘で知られるモースとともに函館で貝塚の発掘調査を行っています。 1880(明治13)年には,その年に起きた横浜地震を契機に世界初の地震学会となる「日本地震学会」を設立して地震の観測と研究を進め,大森房吉など日本人地震学者の育成にも尽力しました。1891(明治24)年の濃尾地震では被害調査を実施し,建造物の耐震化を提案するなど防災の面でも業績をあげています。 1894(明治27)年に開発した「ミルン水平振子地震計」は,地震動のうちの水平動を記録するもので,ミルンはこれを各地に配置し広域にわたる地震観測網を構築しようとしました。
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