ケルネル田圃
店舗情報
歴史散歩マイスター
2021/12/14
目黒区立駒場野公園内に「ケルネル田圃」と呼ばれる水田があります。ケルネルとは, 1881(明治14)年に政府の招きに応じてドイツから来日した農芸化学者オスカー・ケルネルのことです。 来日の目的は1878(明治11)年に開校した駒場農学校の教師を務めることでした。当時,殖産興業政策を進めていた明治政府は,日本の伝統的な農法に先進国の農業技術を導入しようと外国人教師を招き,その技術指導に当たらせました。アメリカから招かれたクラーク博士は,札幌農学校でアメリカ式の大農法を教えたのに対し,ケルネルは駒場農学校,その後身の東京農林学校,東京帝国大学農科大学でヨーロッパ式農法を教授しました。 1892(明治25)年に帰国するまでの間,ケルネルは,とくに水田土壤の研究と稲作の肥料の研究に力を注いで大きな成果を収め,近代日本の農学の基礎づくりに貢献しました。「ケルネル田圃」はその実験・研究に利用された初めての試験田で,日本農学発祥記念の地とされています。
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