築地ホテル館跡
店舗情報
歴史散歩マイスター
2021/11/24
かつての築地市場があった辺り,もと外国人居留地の南に接するところに軍艦操練所がありました。これは,洋式軍艦の操縦法を教授するため江戸幕府が設けた施設です。 その跡地に建てられたのが日本初の本格的な洋風ホテル,築地ホテル館。設計にあたったのはアメリカ人技師R.P.ブリジェンスと横浜で洋風建築の技術を学んだ清水組(現在の清水建設)二代目の清水喜助でした。 竣工したのは1868(慶応4)年,幕府はすでに崩壊していました。ホテル館は,中央に塔屋がそびえる擬洋風の木造2階建て。瓦屋根で外側はなまこ壁,内壁には漆喰が塗られていました。客室は全102室で水洗トイレが付き,シャワー室やビリヤード室,バーも備えられていたといいます。 築地ホテル館は東京の新名所として評判となり,多くの人々が見物に訪れ,錦絵にも描かれました。しかし,築地での貿易が振わなかったため宿泊客は多くなく,1872(明治5)に起きた京橋一帯の大火によって焼失してしまいました。 タイムドーム明石(中央区明石町12-1 中央区保健所等複合施設6階)に築地ホテル館の立体模型が展示されています。
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