歴史散歩マイスター
2021/11/24
聖路加国際病院のすぐ近くにある古代ギリシアの神殿風の建物が,東京最古のカトリック教会といわれるカトリック築地教会です。 ここに初めて教会が建てられたのは,1878(明治11)年のこと。フランスのパリ外国宣教会に所属する宣教師マラン神父とミドン神父によって,外国人居留地内だった現在地に赤レンガ,ゴシック様式の「築地司教座聖堂」が建てられました。当時の聖堂は,長崎の大浦天主堂に匹敵する建物だったと伝えられています。 以後,築地教会は東京以北の宣教の中心となっていましたが,1923(大正12)年の関東大震災で聖堂が倒壊してしまいます。現在の聖堂は1926(大正15)年に再建されたもので,一見すると石造りに見えますが実は木造モルタル造,震災後の厳しい状況の下で苦心して建てられたことが窺われます。 太平洋戦争では,聖路加国際病院の近くにあったため空襲の被害を免れたといわれます。旧聖堂の時代から使われてきた銅製の洋鐘は,1876(明治9)年にフランスでつくられたもので,現在も教会の敷地内に保存されています。
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