ジュゼッペ・キアラ神父の供養碑
店舗情報
歴史散歩マイスター
2021/11/24
小石川の伝通院は,徳川家康の生母・於大(おだい)の方や豊臣秀頼の正室だった孫娘・千姫の墓所であり,徳川将軍家の菩提寺としても知られる名刹です。この寺院の墓地の少し奥まったところにジュゼッペ・キアラ神父の供養碑が建てられています。 イエズス会のイタリア人宣教師キアラは,1643(寛永20)年に日本に潜入しましたが捕らえられ,1646(正保3)年に江戸の切支丹屋敷に収容されました。その後,棄教して岡本三右衛門と名乗り妻や召使いまで与えられましたが,幽閉されたまま1685(貞享2)年に病死しました。 遺体は,キリスト教にはありえない火葬にされ,伝通院の北にあった小石川無量院に葬られました。この無量院が廃寺になったため,1977(昭和52)年に地元有志によって無量院に隣接していた伝通院に本来の墓碑に似せた供養碑が建立されたとみられます。 供養碑には,墓碑と同じく「入専浄真信士」という戒名が刻まれた碑と,その傍らに立つ「ジョセフ岡本三右衛門神父供養碑」という銘と当時の駐日イタリア大使の言葉が刻まれた碑の二つがあります。
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