大宗寺(だいそうじ)のキリシタン灯籠
店舗情報
歴史散歩マイスター
2021/11/24
新宿御苑のすぐ近くに「江戸六地蔵」の一つ,銅造の地蔵菩薩像が鎮座する浄土宗大宗寺があります。 新宿御苑は江戸時代に信州高遠藩内藤家の下屋敷があったところで,甲州道中の宿場町だったこの一帯は内藤新宿と呼ばれていました。 大宗寺は内藤家の菩提寺でしたが,その内藤家の墓所から1952(昭和27)年に灯籠の竿石(笠や火袋を支える胴または脚)の部分が出土しました。 灯籠の形は,江戸初期の茶人・古田織部(ふるたおりべ)が考案したとされる竿石の上部が横に張り出した織部型で,下部には菩薩のような像が刻まれていました。この灯籠は,竿石が十字架を表し,彫像はマリア像を象徴したものと解釈されて「マリア観音」とも呼ばれ,隠れキリシタンが密かに礼拝したキリシタ灯籠であると見なされています。 信州高遠が,キリシタン大名として知られた京極高知(きょうごくたかとも)のかつての所領であったことと関係があるのかも知れません。 現在,灯籠は笠や火袋が復元されて庫裏の前に置かれています。
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