踏絵(東京国立博物館蔵)
店舗情報
歴史散歩マイスター
2021/11/24
キリシタンを取り締まるため,信仰の対象であるイエス・キリストや聖母マリアの像が描かれた「踏絵」を踏ませる行為が絵踏です。もとは紙製でしたが,紙だとすぐに破れてしまうので,しだいに木製や金属製のものが利用されるようになりました。 絵踏は,1626(寛永3)年ころに長崎で行われたのが最初とされています。このころは,1622(元和8)年に長崎で55人ものキリシタンが処刑された元和の大殉教があり,1624(寛永元)年にはスペイン船の来航が禁止されるなど,キリスト教に対する弾圧と警戒が強化されていく時期にあたっています。 九州諸藩で絵踏が厳しく行われるようになると,長崎奉行所では真鍮製の踏絵をつくらせて諸藩に貸し出しました。 その踏絵のほとんどが,現在は東京国立博物館に所蔵されていて年に数回本館で展示されています。それらを見ると表面がすっかり摩滅していて,多くの人々がこれを踏んだことがわかります。 実物はなかなか見られませんが,精巧につくられたレプリカがカトリック高輪教会(港区高輪4-7-1)の資料室で常設展示されています。
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