海福寺梵鐘
店舗情報
歴史散歩マイスター
2021/11/24
山手通りから目黒不動尊に向かう途中に黄檗宗(おうばくしゅう)の寺院・海福寺があります。 黄檗宗は禅宗の一宗派で,江戸時代の1654(承応3)年に,中国・明から来日した隠元隆埼(いんげんりゅうき)によって初めて日本に伝えられました。中国の明,清とは鎖国政策の下でも「通商の国」として,長崎での貿易が活発に行われていたのです。 ちなみにインゲン豆は「普茶(ふちゃ)料理」という中国風の精進料理の材料として,隠元禅師が広めたものとされています。普茶料理で有名な京都宇治にある萬福寺(まんぷくじ)は,隠元禅師によって開かれた黄檗宗の大本山です。 海福寺も,1658(万冶元)年に,隠元禅師によってはじめ深川に開創されましたが,1910(明治43)年に現在地へ移転してきました。 海福寺の境内には,1683(天和3)年につくられた他に例がない変わった形の梵鐘が残されています。全体的には日本の伝統的な鐘の形を踏襲していますが,裾には中国風の雲形のデザインが施されていて,どことなく異国の雰囲気が感じられます。
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