四十八体仏(東京国立博物館法隆寺宝物館蔵)
店舗情報
歴史散歩マイスター
2021/11/24
法隆寺宝物館には,法隆寺に伝来した300件あまりの宝物が収蔵・展示されています。 入館すると最初に出会うのが,1階フロアに整然と展示された小型の金銅製仏像群。これらが「四十八体仏」と呼ばれる,7世紀前半から8世紀前半に制作された典型的な飛鳥・白鳳文化期の仏像です。 なかには,鞍作鳥(くらつくりのとり)=止利仏師の工房でつくられたとみられる飛鳥時代の仏像もあります。鞍作鳥は渡来人系の仏師で,6世紀に朝鮮半島から渡来したと考えられている司馬達等(しばたつと)の孫と伝えられています。推古天皇の時代に活躍し,法隆寺金堂の本尊・釈迦三尊像などを制作しました。 鞍作鳥の工房でつくられた仏像には,正面から観ることを重視した姿や面長な顔立ちにアーモンド形(または杏仁形)の目,アルカイックスマイルといわれる微笑んでいるような口元といった特徴があります。このような特徴をもつ仏像は,古代中国の南北朝文化の影響を受けた北魏(ほくぎ)様式の仏像とされています。また,それ以外の多くの仏像の制作にも渡来人系の仏師が関わっていたと考えられています。
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